鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 一度かけられた魔術は、全ての試練をクリアするまで解けない。

 つまりシュエットは、モリフクロウに見初められた段階で、もう逃げ道なんてなかった。

 魔法陣から溢れ出た光は、エリオットとシュエットの手首に絡まると、グネグネと生き物のようにまとわりつく。

 まるで蛇が手首に絡むような感覚に、ゾワゾワと鳥肌が立った。

 シュエットも同じようで、ベランダから悲鳴が上がる。

「きゃああ!」

 ベランダで、シュエットが腕を振り回している。

(ああ、そんなに動いたら──)
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