鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 壁に引っ掛けていたパン焼き用の網を取って、火にくべる。

 ザクザクと切ったのは、パン屋で買ったレーズンパンだ。甘い匂いに思わず頰が緩む。

「パン屋さんで聞いたっけ。レーズンパンのサンドウィッチもなかなかですよって」

 今日は帰りに肉屋さんでハムを買って、チーズ屋さんでチーズを買ってこよう。

 そんなことを思いながら、シュエットは戸棚から皿を取り出して、ミミがサクサクに焼き上がったレーズンパンを乗せた。ほんのちょっと焦げたレーズンの匂いが、たまらない。

 おなかをさすりながら、戸棚からバターケースを取り出す。

 焼き立てのパンの上に落としたバターがトロリととろけるのを見ていたら、カフェオレが吹きこぼれそうになっていた。
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