【仮】イクツニナッテモ
「猛家さん、時間になったので終わりましょうか」
「はい?え?」
時間…あ、もうそんな時間?終わる時間になったんだ。……終わった。
何とか時間いっぱい、体力はもったかな。
テーブルを片付けていると店長が呼びに来てくれた。
「退勤、しましょうか」
「はい。あ、ここは…」
「そのままで、あとは引き継ぎますから」
「はい、すみません…」
やり残す感じでなんだか嫌だった。でも、時間は守らないといけないようだから…。仕方ない。
退勤の報告をして、入店した時と同じように更衣室で着替えを済ませた。
脱いだ制服を綺麗に畳んだ。指示通り、名札を乗せて休憩室のテーブルに置いた。もう次回はないかもしれない。
来た時と反対に、当たり前だけど。
入り口に向かって厨房横を通り抜けた。
「今日は有り難うございました、お先に失礼します」
洗い場に居たのは店長だった。遅い時間になったら従業員も減るんだね。学生さんのアルバイトが多そうだし。女の子はとうの昔に帰っていってたし。徐々にお客さんの数も少なくなってくるし。来店する人も多くはなくなってくるだろうし。
店長が洗い場に居るってことは室井君ももうあがったのかもしれない。姿はなかった。
「お疲れ様でした。また、お願いしまーす」
あ、ハハ、または、無いって方が確率は高いと思うけど。
「…お願いします…有り難うございました…」
聞こえたかどうかは分からない。そこはもうどうでも良かった。
遠慮の無い音をたてて店長は洗うことに専念していた。少しでも早く終わらせたいだろうから。
お先に失礼します、とレジの従業員にも声を掛けて店を出た。
……フーッ。終わったー。なんとか、なんとか…終わらせた。正直、もうヘトヘトだった。体力は限界だ。腰が悲鳴をあげていた。お腹も空いていた。
店は商店街にあった。アーケード街だ。
駅に向かって歩いた。最寄り駅はアーケードを出たところ、直ぐだった。
治安が悪いと、そこまでは思わなかったけれど、夜も更けて来ると歩いている人の様子も違ってくる。通りすがる人のお酒の匂いが少し恐いと思った。
……あ。雨。
「はい?え?」
時間…あ、もうそんな時間?終わる時間になったんだ。……終わった。
何とか時間いっぱい、体力はもったかな。
テーブルを片付けていると店長が呼びに来てくれた。
「退勤、しましょうか」
「はい。あ、ここは…」
「そのままで、あとは引き継ぎますから」
「はい、すみません…」
やり残す感じでなんだか嫌だった。でも、時間は守らないといけないようだから…。仕方ない。
退勤の報告をして、入店した時と同じように更衣室で着替えを済ませた。
脱いだ制服を綺麗に畳んだ。指示通り、名札を乗せて休憩室のテーブルに置いた。もう次回はないかもしれない。
来た時と反対に、当たり前だけど。
入り口に向かって厨房横を通り抜けた。
「今日は有り難うございました、お先に失礼します」
洗い場に居たのは店長だった。遅い時間になったら従業員も減るんだね。学生さんのアルバイトが多そうだし。女の子はとうの昔に帰っていってたし。徐々にお客さんの数も少なくなってくるし。来店する人も多くはなくなってくるだろうし。
店長が洗い場に居るってことは室井君ももうあがったのかもしれない。姿はなかった。
「お疲れ様でした。また、お願いしまーす」
あ、ハハ、または、無いって方が確率は高いと思うけど。
「…お願いします…有り難うございました…」
聞こえたかどうかは分からない。そこはもうどうでも良かった。
遠慮の無い音をたてて店長は洗うことに専念していた。少しでも早く終わらせたいだろうから。
お先に失礼します、とレジの従業員にも声を掛けて店を出た。
……フーッ。終わったー。なんとか、なんとか…終わらせた。正直、もうヘトヘトだった。体力は限界だ。腰が悲鳴をあげていた。お腹も空いていた。
店は商店街にあった。アーケード街だ。
駅に向かって歩いた。最寄り駅はアーケードを出たところ、直ぐだった。
治安が悪いと、そこまでは思わなかったけれど、夜も更けて来ると歩いている人の様子も違ってくる。通りすがる人のお酒の匂いが少し恐いと思った。
……あ。雨。