【仮】イクツニナッテモ
傘を握り締め足元を確かめるようにして階段を下りた。
改札を通り抜けエスカレーターに足を乗せた。発車時刻は気にすることはなかった。既に電車が止まっているのが見えた。
下りてすぐの車両に乗り込んだ。いつもそうだ。
車内は既に微妙に混んでいた。降り口にならない側のドアに進みそのまま陣取った。帰りまで座るつもりはなかった。
アナウンスが流れた。ドア横のバーを軽く握った。
殆ど待つことなく電車は始発駅を出た。
20分弱、ボーッと立ち尽くしていたようだ。意識は飛んでいた。頭は眠っていたのかもしれない。
…ん?着いた?確か○○駅だと言ったような気がした。外を見た。間違いない、着いた。降りなきゃだ。
ショルダーバッグの肩紐を無意識に掛け直しバーから手を離した。
我先に降りようとする波には飲まれたくなかった。だからいつものように人の移動を確認して後ろからソロソロと降りた。
改札に向かう階段を確かめるように一歩また一歩と下りた。後ろには誰も居ない。
…ふぅ、正直、疲れ切っていたから。
ヒールを履いていたなら、コツン…コツンと間の長い足取りが響いていただろう。
雨は……。
改札横の窓に目をやった。
雨は止んでいるように見えた。カードをかざし、通り抜けた。
室井君の傘。どうやらこの傘は使わずに済んでしまいそうだ。
改札を通り抜けエスカレーターに足を乗せた。発車時刻は気にすることはなかった。既に電車が止まっているのが見えた。
下りてすぐの車両に乗り込んだ。いつもそうだ。
車内は既に微妙に混んでいた。降り口にならない側のドアに進みそのまま陣取った。帰りまで座るつもりはなかった。
アナウンスが流れた。ドア横のバーを軽く握った。
殆ど待つことなく電車は始発駅を出た。
20分弱、ボーッと立ち尽くしていたようだ。意識は飛んでいた。頭は眠っていたのかもしれない。
…ん?着いた?確か○○駅だと言ったような気がした。外を見た。間違いない、着いた。降りなきゃだ。
ショルダーバッグの肩紐を無意識に掛け直しバーから手を離した。
我先に降りようとする波には飲まれたくなかった。だからいつものように人の移動を確認して後ろからソロソロと降りた。
改札に向かう階段を確かめるように一歩また一歩と下りた。後ろには誰も居ない。
…ふぅ、正直、疲れ切っていたから。
ヒールを履いていたなら、コツン…コツンと間の長い足取りが響いていただろう。
雨は……。
改札横の窓に目をやった。
雨は止んでいるように見えた。カードをかざし、通り抜けた。
室井君の傘。どうやらこの傘は使わずに済んでしまいそうだ。