【仮】イクツニナッテモ
2度目は無いと思っていた。
あと1回、出来れば2回。仕事を探していた。通常の仕事終わりに出来る仕事をだ。
…あった。同じ店の求人。…少し戸惑った。だけど、申込みを入れた。どう思われるだろうか。どうせ来てくれるなら学生の方がいい。そう思われてしまうかもしれない。しかも、また私って…。
…あ、決まった。就業前の確認、忘れないようにしないとだ。確認を忘れてしまうとせっかく決まった仕事もキャンセルになってしまう。明後日だ。行く前、確認を忘れないようにしないと、仕事が終わってボーッとしてたらうっかりしてしまいそうだ。

だけどだ。当日、連絡が入っていた。……何、何。これは、仕事が無くなった。ということだ、そういう内容の連絡だった。店舗内の器機が故障して営業が出来なくなったらしい。決まっていた仕事の時給は払われるようだ。なるほど。…本当だろうか。実は故障なんて嘘で、使いたい人材が他に居て、決まってしまった私を断る口実に作り上げた嘘なんじゃないかって…。でも、それは…営業してるかどうか、確かめに行ってしまえば分かることだから…。嘘ではないのかな。…はぁ。こんな風に考えるネガティブな思考になってしまったのは一体いつからなんだろう。自分でも嫌になってくる。そこまで深読みする必要ってあるんだろうか。素直に、故障したと聞けば、そう思えばいいはずなのに。仕方ないよね、色々と嫌な思いをしてきてるとひねくれてしまっても。
また、次の機会に是非お願いします、とあるのだから、そのように素直に受け取ればいいだけだ。
だけど、やっぱりどこかモヤモヤしてしまう。定型の、決まり文句なんじゃないかって。

…仕事せずに時給がもらえるのだ、変に疑わず良しとしないとだ。
信じられなくてもそう思っておけば良いんだ。
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