禁じられた恋はその胸にあふれだす
悠真君が地元に帰って、初めての週末がやってきた。

お店は、この日も忙しい。

昼間のお客さんがいなくなる頃を狙って、私は暖簾をお店の中に入れた。

これから2時間の休憩だ。


その時だった。

「一花。」

悠真君の声がした。

「一花。何だ、もう忘れたのか?」

振り返ると、そこには悠真が立っていた。

「悠真君……」

「まさか、一花も記憶喪失?なんちって。」

面白いポーズを決めるけれど、笑えない。


「何しに来たの?」

「ほら、あの時ろくに話もできなかったじゃん。」

「話って、何?」

お店の外で話す事じゃないって、分かってるけれど、長話はしたくなかった。

「……記憶、また少し戻ったんだ。」

「へえ。それはよかったね。」
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