禁じられた恋はその胸にあふれだす
でも、悠真君がそれを望んでいるのであれば。

「俺も行くから。二人の未来の為に、会って欲しい。」

「うん。」


そして退院後。

私と悠真さんは、栞さんのいる留置所に行った。

連れて来られた栞さんは、髪もボサボサで、かつての美しさを失っていた。

「栞さん。この度は、本当にごめんなさい。」

私は頭を下げた。

すると大人しい栞さんが、また逆上した。

「謝って済む問題なの⁉私はあなたのせいで、こんな所にいるのよ!」

「本当にごめんなさい。」

「心から謝っているように聞こえないわ!」

事情を知っているのか、看守の人も栞さんを強く止めない。


「栞。悪いのは俺なんだ。もう楽にしてやるから、離婚届にサインをしてくれ。」

「何で?どうして⁉事故に遭う前は、私と幸せだったじゃない!なのに何で今は、この女なの⁉」

「それは……出会ってしまったから。」

悠真君は、苦しそうに項垂れた。

「本当に心から愛し合える相手が、一花なんだ。」

「うわあああ!」
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