禁じられた恋はその胸にあふれだす
少なくても、私と出会う前までは、それで上手くいっていたのだから。

「でも、結婚して1年が過ぎてから、栞は攻撃的になった。」

「何かあったの?」

「子供ができないのが、ストレスの原因だった。」

「子供……」


ー 子作りしようか -


あの言葉は、私との子供を望む声と。

自分に子供が作れるか、試す為?


「あの夜も。子供ができないのは、俺が協力的じゃないからって言い始めて。」

「……実際は、どうだったの?」

「俺なりに、頑張っていたとは思う。でも、いつからか子作りが義務みたいに感じてきて。嫌気がさしていたのかもしれない。」

私は、歩みを止めた。

「ねえ、悠真君。今ならまだ、栞さんとの結婚生活、やり直せるんじゃない?」

悠真君も止まった。

「無理だよ。」

「どうして?」

「一花に出会ったから。」

ドキッとした。
< 48 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop