禁じられた恋はその胸にあふれだす
てくてくと病院から歩き出し、同じメインストリートを歩く。

「私の家、定食屋の2階なの。」

「へえ。」

家に着くと階段を登り、玄関を開けた。

だだっ広い部屋が一つだけある、1LDK。

「入って。適当に座って。」

「はい。」

彼は部屋の中に入ると、隅に座った。

「何か、食べます?」

「お願いします。さっきから腹が減っていて。」


私は、下の店舗で定食屋を開いている。

お腹が空いていると聞くと、これまた放っておけない。

「有り合わせの物でいいですか?」

「贅沢は言いません。」

それもそうか。と思いながら、野菜炒めを作った。

「美味しい。」

次々とご飯を口に運ぶ彼は、余程お腹が空いていたのだろう。

「寝場所は、ソファーを使って下さい。」
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