天敵弁護士は臆病なかりそめ妻を愛し尽くす
「あれ、もしかして」
気が付いたときにはもう遅かった。慌てて顔を隠そうと両手で覆おうとしたけれどすんでのところでその手を壱生にとられた。
その上で至近距離からまじまじと見られる。
「へぇ、いいじゃん」
ジロジロと見られて居心地が悪い。しかも彼が笑顔でほめてくれると耳の先まで赤くなった。
「本当に?」
それでも不安で聞いてしまう。
「あぁ、やっぱり俺の目に狂いはなかったな。もともと綺麗だからもったいないなって思ってた」
「そんな風に思っていたなんて知りませんでした。でも隣を歩くならかわいい子の方がいいですもんね」
「あ、いや俺にとってはどっちでもいいよ」
思っていなかった答えに疑問を持った。それが顔に表れていたのか壱生はすぐに付け加えた。
「俺にとっては、化粧をしていてもしていなくても可愛いから、正直どっちでもいい」
「……そ、そ、そんな」
もともと赤かった耳が真っ赤になり、じんじんしている。可愛いと言われることに耐性がないので戸惑うしかないが、壱生はそんな純菜を見るのも楽しんでいた。
「俺が気にしてたのは純菜の自己評価が低いこと。『私なんか、私なんて』俺は好きな女が悪く言われているのは気に食わない。それがたとえ純菜自身でもだ」
「なんですか、それ」
「しかたないだろ。そう思うんだだから」
あまりにも言っていることがおかしくて、声を出して笑ってしまった。
「そうだ、そうやって笑っていればいい。なんだか安心するんだ」
壱生が純菜を抱き寄せてこめかみのあたりにキスを落とし、その後優しく抱きしめた。
「はぁ、疲れた」
「あ、そういえば帰って来るの明日じゃなかったですか?」
「君の顔が見たくて、一日早く帰ってきたって言ったら、喜んでくれる?」
至近距離に期待をしている壱生の顔がある。
「もちろん、私も早く会いたかったから」
素直に自分の気持ちを伝えるのは恥ずかしい。けれど今壱生の柔らかい喜びに満ちた顔見たら羞恥心なんてどこかに飛んでいった。
壱生が純菜の頬に優しく触れた。その温かい手を感じ会えない日の寂しさを埋めてくれた。
「純菜、今の君すごくかわいくて自慢したいような、誰にも見せたくないような複雑な気持ちだ」
「ふふふ、どっちなんですか?」
こんなくだらないことで真剣に悩んでいる壱生を見て笑ってしまう。
気が付いたときにはもう遅かった。慌てて顔を隠そうと両手で覆おうとしたけれどすんでのところでその手を壱生にとられた。
その上で至近距離からまじまじと見られる。
「へぇ、いいじゃん」
ジロジロと見られて居心地が悪い。しかも彼が笑顔でほめてくれると耳の先まで赤くなった。
「本当に?」
それでも不安で聞いてしまう。
「あぁ、やっぱり俺の目に狂いはなかったな。もともと綺麗だからもったいないなって思ってた」
「そんな風に思っていたなんて知りませんでした。でも隣を歩くならかわいい子の方がいいですもんね」
「あ、いや俺にとってはどっちでもいいよ」
思っていなかった答えに疑問を持った。それが顔に表れていたのか壱生はすぐに付け加えた。
「俺にとっては、化粧をしていてもしていなくても可愛いから、正直どっちでもいい」
「……そ、そ、そんな」
もともと赤かった耳が真っ赤になり、じんじんしている。可愛いと言われることに耐性がないので戸惑うしかないが、壱生はそんな純菜を見るのも楽しんでいた。
「俺が気にしてたのは純菜の自己評価が低いこと。『私なんか、私なんて』俺は好きな女が悪く言われているのは気に食わない。それがたとえ純菜自身でもだ」
「なんですか、それ」
「しかたないだろ。そう思うんだだから」
あまりにも言っていることがおかしくて、声を出して笑ってしまった。
「そうだ、そうやって笑っていればいい。なんだか安心するんだ」
壱生が純菜を抱き寄せてこめかみのあたりにキスを落とし、その後優しく抱きしめた。
「はぁ、疲れた」
「あ、そういえば帰って来るの明日じゃなかったですか?」
「君の顔が見たくて、一日早く帰ってきたって言ったら、喜んでくれる?」
至近距離に期待をしている壱生の顔がある。
「もちろん、私も早く会いたかったから」
素直に自分の気持ちを伝えるのは恥ずかしい。けれど今壱生の柔らかい喜びに満ちた顔見たら羞恥心なんてどこかに飛んでいった。
壱生が純菜の頬に優しく触れた。その温かい手を感じ会えない日の寂しさを埋めてくれた。
「純菜、今の君すごくかわいくて自慢したいような、誰にも見せたくないような複雑な気持ちだ」
「ふふふ、どっちなんですか?」
こんなくだらないことで真剣に悩んでいる壱生を見て笑ってしまう。