天敵弁護士は臆病なかりそめ妻を愛し尽くす
壱生の大きな手が純菜の頭をゆっくりと撫でた。子供扱いされているようにも思えるがそうされることがうれしい。
ゆっくりと隣にいる壱生の肩にもたれる。すると彼の腕か純菜の肩を抱いた。こめかみにキスが落とされ、次いで耳をくすぐられる。
くすぐったそうにしている純菜を見てますます壱生の動きがエスカレートしそうになったときに、純菜が「あっ!」と声を上げた。
「大事なもの!忘れてた」
ソファからおりて自分のバッグのおいてあるところまで行くと、中から小さな包みを取り出した。
あきらかに誕生日プレゼントと分かるそれを壱生に渡す。
「まだ少し早いけど、これプレゼントです」
日付が変わるまであと二時間ほどある。
「ありがとう。開けるぞ?」
うんうんと頷く純菜の前で壱生が包みを開けていく。
「名刺入れか。いいじゃん」
「本当に? 気に入ってもらえました?」
ブラウンの名刺入れには名前を入れてもらった。いつも使っているのが年季が入っていて買い換えたいと言っていたのをプレゼント選びの参考にした。
「これならいつも持ち歩くだろうと思って」
「さすがだな。気に入ったよ。ありがとう」
嬉しそうに名刺入れを見ている壱生をみて喜んでくれているのだと分かる。あれでもないこれでもないと悩んだかいがあったものだ。
「壱生さんは物はいらないって言ったけど、やっぱり何かあげたくて。よかった、気に入ってもらえて」
「そうだな、ありがとう。でもまだ俺ほしいものがあるんだけど」
物はいらないと言っていたのに、なにかほしいものができたのだろうか。
「これ、書いて」
今度は壱生がバッグから何かを取り出した。
「俺、純菜の人生が欲しい」
差し出されたのは、これまで何度か目の前に出された婚姻届けだった。けれどこれまでと違うのは承認の欄に、純菜の父親の署名がある。
「これ、いつの間に」
「この間訪問した時に、いただいた。賛成してくださったよ」
まさか話からはずれていたときに、結婚の話までしていたとは思わなかった。
「あとは純菜の気持ち次第」
「私の気持ちは――」
彼のことが好きでたまらない。それは間違いない。仕事も尊敬してるし周囲の人にも気遣いのできる素敵な人だ。
でも意識し始めてまだ数カ月。付き合いだしたのはついこの間なのに。
「早すぎるっていうのはナシ。どうなっても俺と結婚するんだから」
ゆっくりと隣にいる壱生の肩にもたれる。すると彼の腕か純菜の肩を抱いた。こめかみにキスが落とされ、次いで耳をくすぐられる。
くすぐったそうにしている純菜を見てますます壱生の動きがエスカレートしそうになったときに、純菜が「あっ!」と声を上げた。
「大事なもの!忘れてた」
ソファからおりて自分のバッグのおいてあるところまで行くと、中から小さな包みを取り出した。
あきらかに誕生日プレゼントと分かるそれを壱生に渡す。
「まだ少し早いけど、これプレゼントです」
日付が変わるまであと二時間ほどある。
「ありがとう。開けるぞ?」
うんうんと頷く純菜の前で壱生が包みを開けていく。
「名刺入れか。いいじゃん」
「本当に? 気に入ってもらえました?」
ブラウンの名刺入れには名前を入れてもらった。いつも使っているのが年季が入っていて買い換えたいと言っていたのをプレゼント選びの参考にした。
「これならいつも持ち歩くだろうと思って」
「さすがだな。気に入ったよ。ありがとう」
嬉しそうに名刺入れを見ている壱生をみて喜んでくれているのだと分かる。あれでもないこれでもないと悩んだかいがあったものだ。
「壱生さんは物はいらないって言ったけど、やっぱり何かあげたくて。よかった、気に入ってもらえて」
「そうだな、ありがとう。でもまだ俺ほしいものがあるんだけど」
物はいらないと言っていたのに、なにかほしいものができたのだろうか。
「これ、書いて」
今度は壱生がバッグから何かを取り出した。
「俺、純菜の人生が欲しい」
差し出されたのは、これまで何度か目の前に出された婚姻届けだった。けれどこれまでと違うのは承認の欄に、純菜の父親の署名がある。
「これ、いつの間に」
「この間訪問した時に、いただいた。賛成してくださったよ」
まさか話からはずれていたときに、結婚の話までしていたとは思わなかった。
「あとは純菜の気持ち次第」
「私の気持ちは――」
彼のことが好きでたまらない。それは間違いない。仕事も尊敬してるし周囲の人にも気遣いのできる素敵な人だ。
でも意識し始めてまだ数カ月。付き合いだしたのはついこの間なのに。
「早すぎるっていうのはナシ。どうなっても俺と結婚するんだから」