夜を越える熱
「約束が違う、って思ってる?」


恭佑の重い体重を腹部に感じながら驚いて見上げる私に、彼はそう囁いた。


「……」


かすかに頷く。

「大丈夫。分かってる」



そう言うと恭佑は私の指と自分の指を絡めて、ベッドに縫い付けた。


「昨日。俺、強引にしたね。嫌だった?」


じわりと下腹部が熱くなったのを感じた。

首を振る。


嫌じゃない。


「気持ち良かった?」

「……うん……」


あんなに声を上げて我を忘れていたのだから、訊かなくても分かっているだろうと思ってた。でも、恭佑がそれを気にしていたなんて思わなかった。


「……俺もだよ。でも、もっと藍香を気持ち良くさせてやれば良かったと思った」



私の胸にかかる体重。恭佑の頭が私の胸に乗せられる。覆いかぶさったまま、そこで彼は動くのをやめた。



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