カフェオレ色のアナグ・・・ラ[ブ=]無 ─ Anagram ─
[6]
それからしばらく物想いに耽るように遠くへ目をやるアナログさんを、ワタシは不思議そうに眺めていた。
変わった名前、雰囲気のある表情、(ワタシが無知なだけかも知れないけれど & 九歳も年上だからだろうけど)豊富な知識の数々……全てに惹き込まれそうな魅力がある。
と、ワタシは彼を分析して思う。
黙ったまま凝視するそんなワタシを「待たせてしまっている」と勘違いしたのか、アナログさんは一言「ゴメンね」と謝って、フッと思い出したように微笑んだ。
「アナグラム、ですね」
「? アナ……グラム??」
アナログに似ているけれど……知らない言葉だ。
「アナグラム。言葉遊びの一種です。単語などから文字を拾い出して並べ替え、別の言葉に変える……貴女は僕の名「ナグロ ハクア」の中から、ナとグとロとアを拾い上げて「アナログ」に並べ替えた。僕は貴女の名「テシガワラ ホタル」の中から、テとシ、更にガに付いている濁点と、タとルを拾い上げて「デジタル」に繋ぎ直した」
「わぁ……確かに!」
『アナグラム』──また一つ語彙の増えた喜びが、ワタシのハートをワクワクさせた!
変わった名前、雰囲気のある表情、(ワタシが無知なだけかも知れないけれど & 九歳も年上だからだろうけど)豊富な知識の数々……全てに惹き込まれそうな魅力がある。
と、ワタシは彼を分析して思う。
黙ったまま凝視するそんなワタシを「待たせてしまっている」と勘違いしたのか、アナログさんは一言「ゴメンね」と謝って、フッと思い出したように微笑んだ。
「アナグラム、ですね」
「? アナ……グラム??」
アナログに似ているけれど……知らない言葉だ。
「アナグラム。言葉遊びの一種です。単語などから文字を拾い出して並べ替え、別の言葉に変える……貴女は僕の名「ナグロ ハクア」の中から、ナとグとロとアを拾い上げて「アナログ」に並べ替えた。僕は貴女の名「テシガワラ ホタル」の中から、テとシ、更にガに付いている濁点と、タとルを拾い上げて「デジタル」に繋ぎ直した」
「わぁ……確かに!」
『アナグラム』──また一つ語彙の増えた喜びが、ワタシのハートをワクワクさせた!