カフェオレ色のアナグ・・・ラ[ブ=]無 ─ Anagram ─
[8]
ワタシの新たな未来がスタートした。
輝かしいキャンパス・ライフ。
友達も沢山出来たし、一応カレシと呼べる対象もいたりする。
講義も変わらず未知の言葉にワクワクするし、余暇にはボランティア活動やアルバイトなんかもした。
いつになく充実した学生生活。
なのにワタシの中の片隅には、いつもポッカリ小さな空間が存在した。
何もない、まるで真空のようなガランドウのスペース──今まで其処だけが埋まっていた筈の……ハクアくんという名の居場所。
ハクアくんの最後の言葉が気になって、ワタシはアパート到着早々電話をした。ラインもした。
でも応答はなく、留守電にもならず……そして既読にもならなかった。
一ヶ月後の帰省の際には、いの一番にご自宅を訪ねたけれど、案の定不在だった。
図書館で他の司書さんに尋ねると……先月末に退職した、と。
行き先は分からないけれど、四年ほど海外に滞在するつもりだと言っていたらしい。
四年──最後の言葉と合致する期間。
今思えばあの小旅行は、この長期滞在の下調べだったのかも知れない。
となれば……ハクアくんがあれから一年ワタシに付き合ってくれたのは、もしかしたら自分の計画を延期してくれていたのかも知れない……なんて、連絡もくれないそっけない部分は見ないことにして、良い方向へ考えることで自分の精神状態を維持することに努めた。
輝かしいキャンパス・ライフ。
友達も沢山出来たし、一応カレシと呼べる対象もいたりする。
講義も変わらず未知の言葉にワクワクするし、余暇にはボランティア活動やアルバイトなんかもした。
いつになく充実した学生生活。
なのにワタシの中の片隅には、いつもポッカリ小さな空間が存在した。
何もない、まるで真空のようなガランドウのスペース──今まで其処だけが埋まっていた筈の……ハクアくんという名の居場所。
ハクアくんの最後の言葉が気になって、ワタシはアパート到着早々電話をした。ラインもした。
でも応答はなく、留守電にもならず……そして既読にもならなかった。
一ヶ月後の帰省の際には、いの一番にご自宅を訪ねたけれど、案の定不在だった。
図書館で他の司書さんに尋ねると……先月末に退職した、と。
行き先は分からないけれど、四年ほど海外に滞在するつもりだと言っていたらしい。
四年──最後の言葉と合致する期間。
今思えばあの小旅行は、この長期滞在の下調べだったのかも知れない。
となれば……ハクアくんがあれから一年ワタシに付き合ってくれたのは、もしかしたら自分の計画を延期してくれていたのかも知れない……なんて、連絡もくれないそっけない部分は見ないことにして、良い方向へ考えることで自分の精神状態を維持することに努めた。