カフェオレ色のアナグ・・・ラ[ブ=]無 ─ Anagram ─
[10]
「アナグラム……憶えていますね?」
再び唇を放したハクアくんは、ワタシの恍惚とする瞳へ問いかけた。
もちろん忘れるなんてない──出逢った日に教えてもらった言葉だ。
「貴女は僕の中から『アナログ』という言葉を見つけましたが、本質は……違うのですよ」
「本、質……?」
そこでおもむろにワタシの背を起こし、ハクアくんはワタシをギュッと抱き締めた。
お互いの頬が触れ、ワタシの視界は藤の背もたれになる。
「選び出した文字は合っています。でも『アナログ』じゃない……アナログのように一つの意味ではありませんが……」
「『穴』……と『黒』……?」
「ええ。その通りです」
そこまでヒントを出されれば、答えは簡単だった。
でも……本質が「穴」と「黒」ってどういうことだろう?
穴、黒……黒い穴……黒い、ブラック……
再び唇を放したハクアくんは、ワタシの恍惚とする瞳へ問いかけた。
もちろん忘れるなんてない──出逢った日に教えてもらった言葉だ。
「貴女は僕の中から『アナログ』という言葉を見つけましたが、本質は……違うのですよ」
「本、質……?」
そこでおもむろにワタシの背を起こし、ハクアくんはワタシをギュッと抱き締めた。
お互いの頬が触れ、ワタシの視界は藤の背もたれになる。
「選び出した文字は合っています。でも『アナログ』じゃない……アナログのように一つの意味ではありませんが……」
「『穴』……と『黒』……?」
「ええ。その通りです」
そこまでヒントを出されれば、答えは簡単だった。
でも……本質が「穴」と「黒」ってどういうことだろう?
穴、黒……黒い穴……黒い、ブラック……