カフェオレ色のアナグ・・・ラ[ブ=]無 ─ Anagram ─
[2]
ワタシが『アナログ』と読み間違えたのは、カタカナで書かれたフリガナに目を留めたからだ。
そうは言っても『ナグロ』を『アナログ』と勘違いするなんて、自分の視力は相当オカシイのではないかと、それこそ我が目を疑ってしまった。
「この後お時間はありますか? せっかくのご縁、お茶でもいかがです?」
「ん? それってデートのお誘い? 制服のJKなんかと一緒にいるの見られたら、ロクなことないと思うけど?」
そんなセリフに彼は一つ、フフと楽しそうに笑った。
二十代前半か、いっても半ばだろうか、司書らしいいかにも草食そうでありながら、問い掛けた言葉はとても自然だった。
背も高いし、良く見れば端整な顔立ちだ。
意外に場数を踏んでいるのかもしれない。
ワタシは心の奥でそう分析した。
「僕は独身ですし、恋人もいませんからね。それにこんな公共の場で貴女とお茶くらい、堂々としていればどなたも咎めないと思いますよ? もちろん貴女のご家族やご友人、貴女に『彼氏』と呼ばれる方が僕達を見かけたなら、訝しむことは有り得ると思いますが」
「ワタシは気にしないからイイよー、でも公共の場って? まさかココで立ち話!? カフェとか行かないの??」
そうは言っても『ナグロ』を『アナログ』と勘違いするなんて、自分の視力は相当オカシイのではないかと、それこそ我が目を疑ってしまった。
「この後お時間はありますか? せっかくのご縁、お茶でもいかがです?」
「ん? それってデートのお誘い? 制服のJKなんかと一緒にいるの見られたら、ロクなことないと思うけど?」
そんなセリフに彼は一つ、フフと楽しそうに笑った。
二十代前半か、いっても半ばだろうか、司書らしいいかにも草食そうでありながら、問い掛けた言葉はとても自然だった。
背も高いし、良く見れば端整な顔立ちだ。
意外に場数を踏んでいるのかもしれない。
ワタシは心の奥でそう分析した。
「僕は独身ですし、恋人もいませんからね。それにこんな公共の場で貴女とお茶くらい、堂々としていればどなたも咎めないと思いますよ? もちろん貴女のご家族やご友人、貴女に『彼氏』と呼ばれる方が僕達を見かけたなら、訝しむことは有り得ると思いますが」
「ワタシは気にしないからイイよー、でも公共の場って? まさかココで立ち話!? カフェとか行かないの??」