星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
 息を切らしながら公園を見渡すと、木陰のベンチに座っているマートが視界に入った。

「ワンワンッ!」

 ポチに誘導されるように、マートに近付いていく。

「ポチ!」

 そう呼んでマートが手を広げると、ポチがしっぽを大きく振りながら飛び込んでいった。
 マートの方は相変わらず無表情だけれど、形は覚えたのか、ポチを抱きしめて頭を撫でている。

「さっきは、ほんっとにびっくりした! だけど、いつもはどうしてるの? コンビニの人に怪しまれない?」

 マートの顔を覗き込みながら、私も隣りに座った。
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