星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
「マート! この前のあれ、まじでカッコ良かったよ! 校庭に、UFOが現れるなんてなっ」

 そう言いながら、翔ちゃんは馴れ馴れしくマートの肩を抱き寄せている。

「みんな、すげー驚いてさぁ、翔の言ってたことは本当だったんだなって……。俺、もう、あの時はヒーローだったんだぜっ」

 翔ちゃんは、興奮するとまわりが見えなくなる。

「あ、ありがとうございます!」

 マートが、翔ちゃんを見て言った。
〝ありがとうございます〟は、困った時に使うようにと、私がマートに教えた言葉だ。

「翔ちゃん! いきなり一気に話したら、マートがびっくりするじゃない」

「あっ、ごめん、ごめん」

 一応、マートを助けたつもりだ。
 翔ちゃんはハッとした顔で、マートと私を交互に見つめている。

「大丈夫だよ! ショーがヒーローなったなら、それは良いね!」

「まぁな」

 マートの言葉に、珍しく翔ちゃんが照れている。
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