星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
 叱られたショックと衝撃的な本の内容で、かなりメンタルはやられたけれど、マートと並んで本を読めるこの時間を大切にしたいとも思った。

「ルリ……」

 心配そうに、マートが私を見つめている。

(マ、マート?)

 間近で見つめ合い、頰が熱くなる。

「ルリ、大丈夫だよ! この地球は、僕が守るから! ルリの星は、僕の宝物だからね」

 私の頭を優しく撫でながら、マートが囁いた。
 どうやら、私が読み始めるのと同時に、マートは自分の本を読み終えていたらしく、本の内容や私が感じていることを全て読み取っていたらしい。

(えっ! 私の星が……、マートの宝物……? それって、ちょー嬉しいですけどーっ! なんなの、この、ドキドキした気持ち! これって、これって、もしかしたら……、す、す、好きっていう気持ち? それって、それって、もしかしたら……、愛なんじゃないのーっ!)

 再び本に夢中になっているマートに教えたいけれど、この気持ちを伝えることは出来ない。
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