星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
 消毒された、透明な水の匂い……。
 水面には、太陽が燦々《さんさん》と降り注ぎ、水色の底がクッキリと見えている。
 まさに、プール日和!

 翔ちゃんとマートは、既にプールの中でじゃれ合っている。
 開館と同時に入ったせいか、ほとんど貸し切り状態だ。

「ルリーッ! ミクーッ!」

 私たちに気付いたマートが、大きな声で呼んでいる。

「マートーーッ!」

 マートに手を振りながら、私達もゆっくりと水の中に入る。

「冷たっ」

 体温が、一気に下がっていく……。
 思わず、未来ちゃんにしがみ付いていた。

「ほんと、冷たぁい!」

 未来ちゃんも、私にしがみ付いてくる。
 少しずつ水に慣れながら、マート達に近付いていくと、スイカの形のビーチボールが私の前に飛んできた。
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