星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
 やっとの思いで辿り着き、いつものベンチに倒れ込むように座った。

 誰も座っていない隣りのベンチ……、
 誰も居ないジャングルジム……、
 ブランコ……、
 滑り台……、
 公園の至るところに、マートの面影が残っている。

 止まっていたはずの涙が、再び、流れだす……。

「瑠璃ちゃん、やっぱり場所変えよっか?」

「ううん、大丈夫! ここに、居たい……」

 悲しくてたまらないのに、マートとの思い出が詰まったこの場所に包まれていたいと思った。
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