星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
「私、どうしてマートをすぐに信じることができなかったんだろう……」

 悔やんでも、悔やんでも、悔やみきれない。
 時間を巻き戻したいくらいだ。

「仕方ないよ……。私達、まだ子供だもん……。何も分からないし、宇宙人を理解するなんて、難し過ぎるよ……」

 未来ちゃんが、優しく微笑んだ。

「未来ちゃん……。未来ちゃんは、どうしてそんなに優しいの? マートの話も、いつもちゃんと聞いてあげてたし……」

 未来ちゃんは、本当に優しい。
 どうしたらそんなに優しくなれるのか、ずっと聞いてみたかった。

「それは、たぶん……、私がみんなに優しくてしてたら、お兄ちゃんもみんなに優しくしてもらえるって思ってるからかなっ」

「未来ちゃんの、お兄ちゃん?」

「うん。うちのお兄ちゃん、ずっと学校に行ってないじゃない?」

「あっ、うん」

 この話題に触れるのは、初めてだ。
 ずっと気になっていたけれど、聞いてはいけないことだと思っていた。
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