星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
 ポチは、もう上がってこない。
 きっと、おばあちゃんから何か食べ物を貰っているのだろう。

「マート君! アイス溶けちゃうから、食べよ!」

「アイス? うん、食べる!」

 マート君が、警戒しながら箱を開ける。チョコレートがコーティングされているアイスを、じっくりと眺めてから口に入れた。

「冷たい!」

 味というより、その冷たさに驚いているようだ。

 私も同じように、大好きなアイスを一つ頬張る。
 しかし、いつものように味わうことができない……。

 宇宙人と一緒にアイスを食べるというこのありえない状況に、味覚障害が起きているらしい。
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