星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
「あの、僕のフォローシートを知りませんか?」

 異国の少年が、私に話し掛けている。

「えっ、フォローシート?」

(何それ! レジャーシートみたいなもの?)

「えっと、それは、君になんと伝えれば分かるのだろうか?」

(君って、私? この子はいったい何者? 大人みたいな日本語は話せるみたいだけど……)

 暫く考え込んでいた少年が、再び話し掛けてくる。

「こう言えば、分かってもらえるだろうか? 七色に輝く布……」

「七色に輝く布? うん、意味は分かるけど……」

「七色に輝く布を失くしてしまったんだ。あれがないと、非常に困るんだ」

(そっか。この子は、その布を探してるんだ……)

 とりあえず、公園の中をグルリと見渡した……。
 木の陰や遊具のまわりも気にしてみるけれど、それらしきものは見当たらない。

「その、七色に輝く布? そういうものは、ないみたいだけど」

 そう言いながら、少年をまじまじと見つめた。

(えっ、カッコイイ……)

 ロシアのスケート選手のような、なかなかのイケメンだ!
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