星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
(えっ、ちょっと、待って!)

 もう、頭の中で大パニックが起きている。

(マート君は、宇宙人! そんなことを言ったら、みんな驚いて死んじゃうよーっ! もーっ、どうしたらいいの? 大変なことになっちゃった〜)

「タイヘン?」

 マート君が、私の顔を覗き込んでいる。

「瑠璃ーーっ! 早く、お友達と下りて来なさーいっ」

 いつもより気取った声で、おばあちゃんが下から呼んでいる。

「ルリ! 皆さんが呼んでいるよ」

「そうだね……」

 もう、逃げ場がない。

(こうなったら、友達で通すしかない!)

「マート君! 返事に困った時は、とにかく〝ありがとうございます〟って言って」

「ありがとうございます!」

「そうそう! ありがとうございますは万国共通だから、あっ、言葉は違うか……。でも、この国では、だいたいその言葉で乗り切れるから!」

「分かった!」

(本当に、分かってるのかなぁ……)
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