星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
「俺、見てきたよ! 駐車場のところに、大きな穴が空いてた!」

 翔ちゃんが、自慢するように言った。

「大きな穴?」

 そのまま駐車場に目をやると、凄い人だかりが出来ていた。

「でも、何も落ちてなかったよ」

「な〜んだ。じゃあ、前からあった穴じゃない?」

「う〜ん。あんな穴は、なかったけどな〜」

 ちょっと見てみたい気もするけれど、さすがに人が多すぎてとても見れそうにない。
 ポチに誘導されるがまま、そのまま人だかりを通り過ぎていく……。

「翔ちゃん! 流星、凄かったね〜。見に来てよかった!」

「うん」

 やがて道は平坦になり、それほど車が走っていない大通りに出た。
 二人しか居ない横断歩道、信号が青に変わるのを静かに待つ……。
< 7 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop