星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
 フォローシートを纏っているからマートの姿は見えていないけれど、明らかにUFOと思える光る物体が、木の上で待機している。

 廊下側の席から、未来ちゃんもマートを確認したようだ。
 私が頷くと、未来ちゃんも頷く……。
 これが、作戦スタートの合図だ。

(マート! 未来ちゃんが嘘つきじゃないってこと、証明してね!)

 マートに伝わるように心でそう願ってから、私は大きな木のてっぺんを指差して叫んだ。

「あっ、あれ!!」

 先に異変に気付いていた先生が、「なんだ、なんだ!」と、一番になって教室の窓際に駆け寄っていく。
 それに続くように、クラスメートたちが一斉に窓の方へと移動した。
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