星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
「翔ちゃん、ちょっと待ってて!」
今度は私が、ポチを繋いでいるリードを翔ちゃんに手渡した。
「おい、瑠璃! 遅くなったら、綾《あや》ママに叱られるぞ!」
「すぐだからーっ!」
そう叫びながら、全速力で走りだしていた。
人でごった返すコンビニの駐車場を横目に見ながら、下りてきた坂道を急いで駆け上がっていく……。
(えっ……)
辿り着いた公園は静まり返っていて、さっきの少年も、チラホラ残っていた見物客も、もう誰も居なかった。
「ハァ、ハァ、マートくーーん!! マートくーん!」
息を切らしながら何度か呼んでみたけれど……、返事はない。
(もう、帰っちゃったのかなぁ……)
真っ暗な公園を見渡していると、どこからか聞こえてくる犬の遠吠えが闇に響き渡った。
(どうしよう……。でも、ここに置いていったら、きっとなくなっちゃうよね……)
恐怖に耐えられなくなった私は、その布を抱えたまま翔ちゃんの元へと急いで戻った。
今度は私が、ポチを繋いでいるリードを翔ちゃんに手渡した。
「おい、瑠璃! 遅くなったら、綾《あや》ママに叱られるぞ!」
「すぐだからーっ!」
そう叫びながら、全速力で走りだしていた。
人でごった返すコンビニの駐車場を横目に見ながら、下りてきた坂道を急いで駆け上がっていく……。
(えっ……)
辿り着いた公園は静まり返っていて、さっきの少年も、チラホラ残っていた見物客も、もう誰も居なかった。
「ハァ、ハァ、マートくーーん!! マートくーん!」
息を切らしながら何度か呼んでみたけれど……、返事はない。
(もう、帰っちゃったのかなぁ……)
真っ暗な公園を見渡していると、どこからか聞こえてくる犬の遠吠えが闇に響き渡った。
(どうしよう……。でも、ここに置いていったら、きっとなくなっちゃうよね……)
恐怖に耐えられなくなった私は、その布を抱えたまま翔ちゃんの元へと急いで戻った。