星から来たマート⭐︎〜君と過ごした夏〜
 大通りの信号を渡って、急いでコンビニに向かう。

 車が、八台ほど停められる駐車場。
 コンクリートには、初夏の陽射しが照り付けている。

「だけど、ここに穴が開いて、次の日には消えてたなんて……、ありえない……」

 翔ちゃんと未来ちゃんから聞いていた現場を眺めながら、独り言を呟く。

「それより、シェルターはどこ? なんにも見当たらないけど……」

 汗ばむ額を手で拭いながら、辺りを見渡してみる……。

「マート、居ないの? マート! マート!」

「ワンワンッ! ワンワンッ!」

 ポチと一緒に、マートの名前を何度も呼んでみる。

(えっ……)

 突然、空中に銀色のドアが浮き出てきた。

(ま、まさか!)

 スススーッと、ゆっくりとドアが開かれ、マートが顔を覗かせる。

「うわっ! どーなってんのっ」

「ギャン!」

 ポチも目を見開き、毛を逆立てている。
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