せんせい あのね、










「……せんせい、
 あの時…

 受験のあの時、
 待っててって
 お願いしたのに
 
 自分から約束を破って
 …ごめんなさい」




寒い冬の廊下、ソファーであなたはどれくらい待っていてくれましたか。





「……いいよ。

 いやぁ、まぁ、来なくて
 ショックだったけどな。

 でも、今こうして
 会えてるし…
 
 もう、気にしてねーよ」





そう言って笑うと、私の頭に手をのせて、がしがしと撫でた。






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