線香花火の初恋【短編】
彼の家まで電車で30分、駅から最寄り5分の距離だった。
「入って」
ワンルームの部屋で、物はあまりない。寝るところのベッドと、机。冷蔵庫。それくらいしかない。私は玄関前で立ち尽くしていると、背中をトンっと押された。
そして、玄関にバランスを崩して入り、そして後ろからは鍵を閉めた音が聞こえた。
後ろから抱きしめられた。
「ちょ…!」
首筋に彼の柔らかな髪が当たる。筋肉質な腕はもう離さないといわんばかりに強い。あの時の比ではないくらいに。
「逃がさないっていっただろ、お前が分からないってんなら分からせてやるって」
「あっ…待って!うぅ…」
耳元で囁かれ、腰が痺れていく。耳元にかすかに触れていた唇が、思いっきり歯をたてて噛んだ。何度も甘噛みを繰り返されて、腰が崩れそうになるも、彼の腕で支えられている。耳の輪郭を舐り、耳の奥をぴちゃぴちゃと舐められた。食べられているかと思った。背中から全身にかけて這いよる快感に思わず目をつぶる。吐息はいずれも隠しきれないまま。
「入って」
ワンルームの部屋で、物はあまりない。寝るところのベッドと、机。冷蔵庫。それくらいしかない。私は玄関前で立ち尽くしていると、背中をトンっと押された。
そして、玄関にバランスを崩して入り、そして後ろからは鍵を閉めた音が聞こえた。
後ろから抱きしめられた。
「ちょ…!」
首筋に彼の柔らかな髪が当たる。筋肉質な腕はもう離さないといわんばかりに強い。あの時の比ではないくらいに。
「逃がさないっていっただろ、お前が分からないってんなら分からせてやるって」
「あっ…待って!うぅ…」
耳元で囁かれ、腰が痺れていく。耳元にかすかに触れていた唇が、思いっきり歯をたてて噛んだ。何度も甘噛みを繰り返されて、腰が崩れそうになるも、彼の腕で支えられている。耳の輪郭を舐り、耳の奥をぴちゃぴちゃと舐められた。食べられているかと思った。背中から全身にかけて這いよる快感に思わず目をつぶる。吐息はいずれも隠しきれないまま。