線香花火の初恋【短編】
「違うだろ?誰とセックスしてんの?」
今日何度目かの言葉だ。吐息交じりに掠れている。見下ろされた劣情伴う視線の中に火花がたくさんあって、先ほどの線香花火のオレンジが激しく燃えている気がする。
「もと、ひろ!!」
「誰のことが好きなの?」
腰を思いっきりがつがつつかれ、初めて思いのたけが溢れた。
「もとひろがすきぃ、無理、あぁ」
目の前がオレンジ色に弾けた。意識が飛ぶ瞬間、「…俺も若菜が好き」て聞こえた。
目が覚めたら、朝だった。初恋は思わぬ形で成就したことに驚いた。
腕の中で不埒に動く手つきに不審に思い、振り返るとがっつり目があった。
朝の陽ざしがきらきらひかって、とろけ切った顔の岸田君がいた。が、
「ごめん、もう一回…」
「え、やぁ!!」
その爽やかな笑みと似つかわしくなくまた夜のように獰猛に食いつくされて、花本若菜は嫌というほど愛されていることを実感したのだった。
今日何度目かの言葉だ。吐息交じりに掠れている。見下ろされた劣情伴う視線の中に火花がたくさんあって、先ほどの線香花火のオレンジが激しく燃えている気がする。
「もと、ひろ!!」
「誰のことが好きなの?」
腰を思いっきりがつがつつかれ、初めて思いのたけが溢れた。
「もとひろがすきぃ、無理、あぁ」
目の前がオレンジ色に弾けた。意識が飛ぶ瞬間、「…俺も若菜が好き」て聞こえた。
目が覚めたら、朝だった。初恋は思わぬ形で成就したことに驚いた。
腕の中で不埒に動く手つきに不審に思い、振り返るとがっつり目があった。
朝の陽ざしがきらきらひかって、とろけ切った顔の岸田君がいた。が、
「ごめん、もう一回…」
「え、やぁ!!」
その爽やかな笑みと似つかわしくなくまた夜のように獰猛に食いつくされて、花本若菜は嫌というほど愛されていることを実感したのだった。