嘘をつけない彼女達の事情
嘘
「ねぇ、アズミ。やっぱり諦められない。タカヤくん、私に頂戴。」
休みの日の昼下り。
最近できた話題のカフェにてユリカが言う。
「はぁ…」
溜息一つ吐くと紙のストローでアイスティの入ったグラスをクルクル回す。
紙のストロー苦手だな。
エコなのはわかる。
だけど美味しさが半減する、気がする。
特にストローを噛んでしまう癖がある私はアイスティを飲み終える前にストローが役目を終えてしまう。
「ちょっとぉ、溜息一つだけ?もっとないの?ねぇ、なんとか言いなさいよ。」
わかりやすく苛立ちを言葉に乗せるユリカ。
そう…
ユリカってこんな人。
彼女とは高校生の頃からの付き合いで、見た目が地味な私とは違って目鼻立ちもハッキリしていてその性格を表しているかのよう。
好きなものは好き。
それが人のものであっても好きならどんな手を使ってでも手に入れる。
けれど唯一、ユリカの手に入らなかったものーーー
それがタカヤ。
私の夫だ。
休みの日の昼下り。
最近できた話題のカフェにてユリカが言う。
「はぁ…」
溜息一つ吐くと紙のストローでアイスティの入ったグラスをクルクル回す。
紙のストロー苦手だな。
エコなのはわかる。
だけど美味しさが半減する、気がする。
特にストローを噛んでしまう癖がある私はアイスティを飲み終える前にストローが役目を終えてしまう。
「ちょっとぉ、溜息一つだけ?もっとないの?ねぇ、なんとか言いなさいよ。」
わかりやすく苛立ちを言葉に乗せるユリカ。
そう…
ユリカってこんな人。
彼女とは高校生の頃からの付き合いで、見た目が地味な私とは違って目鼻立ちもハッキリしていてその性格を表しているかのよう。
好きなものは好き。
それが人のものであっても好きならどんな手を使ってでも手に入れる。
けれど唯一、ユリカの手に入らなかったものーーー
それがタカヤ。
私の夫だ。