嘘をつけない彼女達の事情
真実







「大丈夫だった?」

「うん、バレてない。実家に帰るって信じてると思う。だって、ご丁寧に電車の時間、心配してくれてたもん。アズミのあの真っ直ぐな感じほんと嫌い。」

「そんな風に言わないでよ。僕の奥さんのこと。」

「奥さん?セックスレス数年。家庭内別居中で?」

「そっちこそ、大丈夫なのか?」

「今頃、うちの寝室で盛ってるわよ。なんせ、ずっと思い続けてた人との運命の再会だもんね。それより、早く欲しい。」

取っていたホテルの部屋の中に入ると同時にタカヤの首に腕を回す。

すると直ぐに首筋に舌を這わせてくるタカヤ。

「はぁ…あっ、でも先にシャワー。」

タカヤをゆっくり押し退け言うと、

「いいの?欲しかったんでしょ、僕のこと。」

少し目尻が下がった甘めのマスクと柔らかい声で聞いてくる。

この顔…

そして、この声…

本当にドストライクなんだよね、昔から。

「もぉ…意地悪言わないで。欲しい…に決まっーーっんぅ。」

最後の言葉はタカヤの唇で消されてしまった。





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