嘘をつけない彼女達の事情
タカヤの胸に顔を埋め、まだ冷めない熱に頭がぼんやりする。

「ごめん…無理させすぎたかな?」

私の髪をゆるゆると撫でつけながら聞いてくるタカヤ。

「自覚あるの?」

「ある。でもまだまだ足りないんだけど。」

そう言いながら、再び私に覆いかぶさってくるタカヤ。

そっと彼の背中に手を回しながらカフェでの事を思い出す。






ーーーーやっぱり諦められない。タカヤくん、私に頂戴。






エイプリルフールなんかじゃない。

あれは私の真実(ほんしん)

私は今、この瞬間もタカヤの全てが欲しい。

アズミ、知ってた?

私がカフェで言った言葉は嘘なんかじゃない。

いつだって、私は本当の事を言ってるってこと。


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