溺愛の形・わがままな純愛・後日談(エピローグとプロローグ)
サリナス殿下は、その答えを聞いて
「フェンネル嬢、ユリアちゃんと
呼ばせてもらっていいかな。

あなたの方が、話が早い。
楽しみにしていますよ」
と言いつつ、
ケイレブに見せつけるように、
舌を出して、ニヤリと笑った。

ケイレブはブゥーーと、
ほっぺたをふくらませた。

それを見て、
サリナス殿下は楽しそうに言った。
「ケイレブ、君の弱点は、ユリアちゃんなのだな。
十分に注意したまえ」

ケイレブは、すぐに言い返した。
「お前とは、しばらくは遊べないしな。
つまらない毎日を、送るのはだぁれかな?」

それからユリアを見て、
甘えた口調で
「ユリアちゃん、もう帰ろう。
まだ食事もまだだし、俺も腹が
減ったよ」

「おお、それは、
それでは、すぐに食事を準備させましょう。
フェンネル領について、
もっと詳しく聞きたいですし」

サリナス殿下は、ユリアに手を
差し伸べた。
ユリアは微笑んで、その手を取った。

「くっそぉーー!」
ケイレブが叫んだ。

ユリアと腕をくんで、サリナス殿下が歩き、ケイレブがその後をついて行く。
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