魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
「薬草取り、ついでに何か食べられる物、きのことか、山菜とか、魚釣りも」

レリアは、かごいっぱいの草を
見せた。

「お客さん、黒猫亭で、
夕飯食べるなら、魚料理がおすすめですっ」

レリアが胸を張った。

「いいことを聞いた。
それでは夕食に魚を頼もうか」

「ぜひぜひっ」
レリアは今度、ニマっと笑った。

商売用なのだろう。
サリナスもつられて微笑んだ。

この少女は・・・
宮廷の女たちとは全く違う。

明るくて、元気で、
強くて、自分をよく見せよう、

媚びを売ろうなんて、微塵も
考えていない。

駆け引きもしない。
気取った言葉使いや、おしとやかに振る舞う事もしない。

少し、ケイレブに似ている。

< 11 / 53 >

この作品をシェア

pagetop