魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
隣国のひなびた領地伝説レベルだ。

「昔、昔、この土地の魔女は
大きな魔力があって、ドラゴンも妖精も、ユニコーンもドワーフも住んでいました。

魔女はとても、美しいのに、
別の国に行く時は汚い老婆の姿になりました。

ある時、ある国の王子様が、
魔女の国に迷い込んで・・・」

突然、レリアが前方を指さした。
「ほらっ、見て」

その先は平原になっていて、
所々、大きな三角錐の岩が、
ぼこぼこ突き出ている。

それは奇妙な・・異様な光景だった。
墓標のように立っている、
巨石群。

「これはその昔、
魔女の国に、攻めてくる軍隊を
止めるために、
一夜でできたと言われるの」

「ちょっと、止めてくれ、
岩を近くで見てみたい」

サリナスは馬車を降りた。

ナイフで岩を削ると、ポロポロともろい。
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