魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
「これが魔女の碑文って、
言われるもの、
今は誰も、読めないけど・・」

「何かの儀式に使ったのかな」

「言い伝えでは、
魔女が好きな男と、結婚する時に、ここで誓いをするって
言われているんだ」

サリナスは、祠の内部を覗き込んだ。

「そうか、どこでも同じだな。
結婚は、神様に誓うから」

レリアは少しためらうように

「サリィは、好きな人がいる?
もし、いるのなら、
この碑文の前で、
その人のために祈りをささげて。

魔女が、あなたの味方になって
くれるから」

好きな人・・愛する人・・・
ケイレブなら、真っ先にユリアと答えるだろう。

サリナスは膝を折り、祈っているレリアを見た。

レリアの体から、
うっすらと、もやのような何かが、立ち込めるように見えたが、
一瞬で、消えてなくなった。

「君は・・誰のために
祈りをささげたのかな?」

レリアは立ち上がり、
口ごもって、目をきょろきょろさせた。
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