魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
<岩場のロマンス>
レリアは、岩場をひょいひょいと
身軽に登っていく。
さすが、黒猫だ。
慣れているのもあるのだろうが、
身体能力が、相当に高いのだろう。
ついていくのが、やっと、
否、遅れぎみのサリナスは、
日ごろの運動不足を悔いていた。
デスクワークが多いのだ。
それと・・おっさんだからな。
「サリィ?大丈夫?
もう少しだから・・」
レリアは、
心配げに、下を見下ろした。
「ああ、何とか・・」
サリナスは一呼吸して、
返事を返した。
明日は筋肉痛で、動けないかもしれない・・
サリナスが、後悔と共に考えはじめた頃
「こっちだよ」
レリアが、上の岩場から顔を覗かした。
サリナスが、最後の力を振り絞って、登り切った場所は
切り立った岩場のてっぺんだった。