魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
下は絶壁の崖だ。
眼下に、川がゆったりと流れていく。
サリナスが、上着を脱いでいると、
レリアが、小さな瓶をポケット
から取り出した。
「どうぞ、薬草リキュール、
疲れに効くんだ」
「ああ、ありがとう」
サリナスは、のどの渇きもあり、
一気飲みした。
強いリキュールと薬草の香りが、
鼻から抜ける。
「これは強いな・・」
サリナスが、岩場に座りこんだ。
レリアが指を指した。
「あっちが、サリィの国の方だよ」
風が吹き抜けて、ほてった体に
心地がよい。
山並みが地平線上に広がり、
天空から光の梯子が下がって
いる。