魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
「あれは、天使が使う梯子
なんだって、
すごいきれいでしょう」

綺麗と言うより、神秘的だ・・・
雲が七色に輝いている。

「あのぉ、サリィ、
お願いがあるのだけれども・・・」

レリアが、もじもじして、小さい声で言った。

「うん?」

「初めてのキスは、
この場所がいいと決めていたんだ」

「え・・?」

サリナスは一瞬、困惑した。

カワイイ子猫が、キスを私に、
おねだりをしているのか?

「ええと、付き合うとか、
そんなんじゃなくて・・
記念というか。

その・・初めてのキスは、
気に入った男が、いいと思ってさ」

レリアは、ぎゅっと目を閉じて、
唇をかんでいた。
次の瞬間、
顔を上げて泣きそうに、ハハハと笑った。

「ごめん、絶対(ぜってぇ)、
無理だよね、
サリィは、十分大人だし、
私なんてガキを、相手にしないだろうから」

サリナスは、片手をレリアの
ほほにあてた。
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