魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
ここはどこなのだろう。
目隠しを取って欲しいのだが。

「もう一回、お薬飲んで、ねっ」
レリアの声だ。
そばにいてくれている。

バタン、バタン

ベッドだろう、
柔らかい感触の上に、転がされた。
さるぐつわが外され、サリナスはうめいた。

「水を・・」

冷たい瓶の感触が、唇に当たった。
水が、喉を滑り落ちる。

ううっ、ゲホゲホッ
サリナスが身をよじらせて、
せき込んだ。

「全く、へたくそだねっ!!
お前は邪魔だ!!」

ドラゴンのしゃがれ声が聞こえた。

力強く、上半身が起こされて、
また、瓶の感触だ。

今度はどろりとして、苦く甘い。

「さぁ、全部お飲み、楽になるから」

相変わらずのしゃがれ声だが、
少しだけ優しかった。

ぶひっ、ううううっ・・・・
レリアが泣いているのだろう。

泣かなくていい・・・・
サリナスは、そう言いたかったが、闇に吸い込まれる感覚に、
包まれた。

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