魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)

「王子様なんて知らなかったよぉ、
でも、好きだったんだもん」
レリアが、涙声で訴えている。

「媚薬を使って、
男を自分の物にするなんて!!
掟破りだ!!」
ドラゴンが、空気を震わせた。

「だって、だって、
私なんて、ガキだって思われてしまったら、
キスなんてしてくれないもん」

レリアが、涙ながらに訴える。

「お前は先月、成人したばかりの魔女だろう。媚薬を使うなんて、100年早いわっ、けっ」
ドラゴンは、吐き捨てるように
言い放った。

「とにかく、早急に王宮に、
お戻りいただくためには・・
ケイレブの協力が必要ですね」
ユリアの声は、決心を含んでいた。

「王族を、釣り上げてしまった以上、仕方がないですだ。

なかった事にするには・・・
レリア、
お前は当分、地下室で謹慎だ」。

ドラゴンの命令が下った。

ドズン
床を踏み鳴らす音が響く

ヒィイイイイイイィーーーー
悲鳴のように、泣き叫ぶ声が、
耳に突き刺さる。

傷つけないで!!
かわいそうにレリア・・

私は君を愛しているよ・・・
サリナスは伝えたかったが、
声が出ない。

そのまま、また、闇に落ちた。
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