魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
フェンネルという単語を聞いた時、胸がうずく感じがした。

「覚えて・・いないな」

「頭を打たれると、記憶が一時的に無くなる事があります。

時間がたつと、思い出されるでしょう。
足の方は、いかがですか」

サリナスは、片足をベッドの中で動かそうとしたが、
少し動かすと、痛みが走った。

「痛い・・」

「足首の筋を、ひねったようです。しばらくは杖が必要かと」

「そうか・・」

「もう少し、お休みください。
湿布の薬湯を、準備いたしますので」
侍医が一礼して、退出した。

サリナスは脱力して、目を閉じた。
何か、大切なものがこぼれ落ちている・・・・・

でも、わからない・・・・
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