魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
「ふふ、かわいいな」
サリナスは微笑んだ。

「殿下、この子に名前をつけて
いただけないでしょうか?」
ユリアが言った。

「野生の鳥なのだろう」

「ええ、でも、殿下に名前をいただいたら、この子もうれしいと
思います」
そう言って、ユリアが微笑んだ。

「お茶を頼んだのだが、遅いな。
様子を見て来るよ」

ケイレブが、椅子から立ち上がると
「それなら、私が・・」
ユリアも、立ち上がった。

「んじゃ、一緒に行こう」
ケイレブは、デレデレで
ユリアの手を握った。

まったく、見せつけないで欲しいな、
サリナスは、額に手を当てて、
苦笑した。

「そうだ、鳥をかごから出すなよ。
部屋で放すと、糞をするからな」

ケイレブは、そう言って、
ユリアと一緒に部屋を出て行った。

ピピピピピーーー

小鳥が、異常に騒いでいる。
サリナスは、かごを覗き込んだ。
羽をバタバタさせて、出たがっている。
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