魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
女の子は冷静に言った。
「さっさと散れよっ」

一人の少年が、おびえた様子で
言った。
「覚えとけよっ、レリア」

「お前の面(つら)なんか、
覚えたくもねぇぜ、まったく!」

女の子は、かごを取りに戻り
ながら、言い返した。

少年と少女は、くもの子を散らすがごとく、道を下って消え去った。

残ったのは、
レリアと呼ばれた少女と、サリナスだった。

「お客さん、すんません。
クソガキどもが、いちゃもんつけて」

少女は、ぺこりと頭を下げると、
サリナスを見た。

とび色の三つ編みが揺れる。
印象的なスカイブルーの瞳、

そばかすがあるが、目が大きくて、かわいらしい顔立ちだ。

子狸のような・・・
いや、子猫かな。
かわいくても、飛び蹴りはすごかったが・・・

「いやっ・・
君が来てくれて、助かったよ。
私も怪我をしたくないし、
彼らもそうだろうから」
< 8 / 53 >

この作品をシェア

pagetop