魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
あの男の子は、しばらくは、
トラウマに苦しめられるだろう

サリナスは、木の枝をそっと置いた。

「おっさん・・お客さん、
黒猫亭に泊まるんですよね」

「ああ、そうだが・・君は?」

レリアはニコッと笑った。

「黒猫亭は爺ちゃんの店なんで・・
手伝いをしています。レリアと
言います」

「そうなのか。君は強いんだね」
サリナスは、感心したように、
言った。

「ケンカは先手必勝。
急所を確実に狙う。
婆ちゃんがいつも言っています」

「確かに、剣術の試合のようにはいかないな」

そう言ってから、
サリナスは、レリアをじっくり眺めた。

レリアの手足は長い。
リーチと歩幅は有利だろう。

機敏な動きと跳躍力、瞬発力。
剣術の教師なら、ほれ込む逸材
かもしれない。
残念なことに、女だが・・

「それに山道で、鍛えていますから」

レリアはまた、ニコッと笑って聞いた。
「お客さん、何をやっている人ですか?」
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