ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
 現在夜の八時。早速スマホを取って優斗に電話をかけた。

『はーい』

 優斗の明るい声を聞き、それだけでホッとする。

「月末にまとめて休みが取れるのよ。そっちに行ってみようかと思って」

『ほんと、来てよ。案内するからさ』

「バイト、どうだったの?」

『楽しかったよ』

 優斗はゴールデンウィークの間、ホテルのレストランで短期のアルバイトをしていたらしい。札幌での暮らしも随分慣れたようだ。

 向こうに行ってもう三カ月が経っているのだから当然か。

「ご飯ちゃんと食べてる?」

『食べてるよ、心配性だなぁ。そういえばホテルの社食おいしかったよ。こっちはなにを食べてもうまいんだ』

「へえ」

『姉さんこそ、その後どうなんだよ。無理してない? ちゃんと仕事と家事、両立できてるの?』

「うん。無理はしていないよ。大丈夫」

 慎一郎さんは洗い物を手伝ったりしてくれる。家事は私がする契約なんだから気にしなくていいのに、優しい人だ。

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