ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
東京へは慎一郎さんと一緒に帰った。
優斗は私たちの仲睦まじい様子に安心したようだ。
彼が来るまでの私と、来てからの私の表情が呆れるほど違うと言っていた。
『そんなに?』
『別人のようだった』
あきれたように優斗は笑った。
『でも、朝井さんが姉さんをとっても大切にしてくれているってよくわかったからうれしいよ』
その通り、慎一郎さんは急に過保護になった。
東京まで帰ってくる道中、私の荷物はすべて持つ勢いで、まるでベルボーイですねと笑うと、彼は『君だけのベルボーイだ』と笑う。
今だって――。
ソファーの隣に座る慎一郎さんは、身を乗り出して気遣わしげに私を振り向く。
「桜子、ホテルの仕事だけど……」
「はい。休み明けには言うつもりです。双子とわかったときから辞めなきゃいけないと覚悟はしていましたから」
慎一郎さんはホッとしたように長い息を吐き、額に手をあてた。
「夢をあきらめるわけじゃありませんから」
「え?」